抽象と具象の狭間でゴーンと森と菅と日本の司法制度 [アベラ国]
ゴーン会見は「一方的なもので全く説得力に欠ける」
という菅義偉のご託宣こそ「一方的なもので全く説得力に欠ける」。
この男の記者会見こそ毎度のことながら日本の「中世」を雄弁に物語るものである。
「主張」には、それを裏付ける「具体的な論拠」が必要である。それで議論は成り立つ。
少なくとも文明社会では。先進国では。民主国家では。菅(を始め安倍政権の方々)のように
「具体的な論拠」を掲げぬ主張は、たわごとだ。与太話だ。
ゴーンは日本の検察は不公平であると主張、日本は人質司法であると主張。その具体的根拠を縷々掲げた。
検察官の取り調べは「1日8時間にも及んだ」「独房に閉じ込め妻とも子供とも会えぬ、話ができぬ」
「独房で1人クリスマスを過ごした」「正月休みもない」「『自白しなければもっとひどいことになる。
家族も追及する』と言われ、絶望した」「家族は想像を絶する苦しみを味わった」などなどなどである。
片や菅の主張「わが国の刑事司法制度は個人の基本的な人権を保障しながら、真相を明らかにするために
適正な手続きを定め、運用されている」。
どこに具体的な裏付けを掲げた?「総論」を述べるのみである。
これでは世界の舞台では誰しもがゴーンの言い分に軍配をあげる。これで菅の言い分を認めようとするのは、
せいぜい、日本の一部のメディアか安倍信者かネトウヨくらいのものだろう。
抽象・総論(general ideas)(意見)とそれをささえる具象・論拠(specific ideas)(事実)の違い、
議論(やたとえば文章の段落)にはその両者を含めるという基本は、アメリカの教育では
高校、大学の作文で徹底して教えている。フランスなど小学生でも、「それは君の意見だ」「それは事実」と、
その違いを知っている。
いい加減、この国の大人たち(なかんずく指導的な立場にある人たち)もそのことを学び始めたらどうか。
学校でも教え始めたらどうか。そうして「民度」を向上させたら安倍政権などみんな我先にと捨てるはずだ。
しかし日本は依然として「中世」である。議論もできない。数年前、日本の人権状況は
「世界で最も進んだものの一つ」と言い(具体的なその論拠は何一つ掲げることなく)
「だまれ!うるさい!笑うな!」とどなった日本の国連人権人道大使の「主張」から
まったく進歩していない暗黒の中にある。
『「うるせー!黙れ!笑うな!」 ~誰がどこでそんなことを言っているのですか?』
日本の国連人権人道大使です。
https://noraneko-kambei.blog.ss-blog.jp/2017-07-13 )
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菅義偉(すが・よしひで)官房長官は9日午前の記者会見で、前日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告(65)がレバノンで開いた記者会見について「主張は一方的なもので全く説得力に欠ける」と批判した。「わが国の刑事司法制度は個人の基本的な人権を保障しながら、真相を明らかにするために適正な手続きを定め、運用されている」とも語った。
ゴーン被告の身柄が日本に引き渡される可能性については「レバノン政府の判断に関する事柄で、日本政府としてコメントする立場にはない」としつつ、「引き続き関係国や国際機関と連携し、わが国の刑事手続きが適正に行われるように、でき得る限りの措置を講じたい」
ゴーン被告会見は「一方的なもので全く説得力に欠ける」 菅氏
産経新聞 https://www.sankei.com/politics/news/200109/plt2001090008-n1.html
「引き続き関係国や国際機関と連携し、わが国の刑事手続きが適正に行われるように、
でき得る限りの措置を講じたい」?
具体的に誰が何をどうして、何がどう改善するのか、言うてみい!
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適正と繰り返すのみ法相の
主張のほうがよほど抽象
日本を密出国したゴーンがレバノンで記者会見をすると
森まさこ法相が深夜の異例の反論。
ところがそこで「潔白というのならば、司法の場で正々堂々と無罪を証明すべき」と発言してしまった。
これには国の内外で「ほれみろ、日本は「推定有罪」じゃないか!」と炎上したもよう。
私のフェイスブック友達も:
アベ内閣のレベルの低さを推定証明した。立派な法務相だ。頑張れ!よくやった。
わざわざ、未明に会見。海外にあっという間に流れた。
日本はまだエド時代だと。ゴーンは思わぬアシストに喜んでいるだろう。
友達2:ゴーンの日本の司法批判裏書きするア法務大臣。バ閣僚。
のら猫:世界から座布団飛んで来てた夜。半分は、ほれみろ!ふざけるな!
半分は、はらわたよじれるぅー!
それにしても森法相、ゴーンの批判は抽象的で当たらないと抽象的に反論している。
「一般論としてではあるが」、「我が国の司法制度が「人質司法」であるとの批判がなされたが、昨日も申し上げたとおり、我が国の刑事司法制度は個人の基本的人権を保障しつつ、事案の真相を明らかにするために適正な手続きを定めて適正に運用されており批判は当たらない」
「有罪率が99%であり、公平な判決を得ることができないとの批判がなされたが、我が国の検察においては、無実の人が訴訟負担の不利益をかぶることなどを避けるため、的確な証拠によって有罪判決が得られる高度の見込みのある場合にはじめて起訴するという運用が定着している。また裁判官は、中立公平な立場から判断するものである。高い有罪率であることを根拠に公平な判決を得ることができないとの批判は当たらない。」
抽象的やなあ。具体的な根拠皆無でっせ。
「また裁判官は、中立公平な立場から判断するものである」ほんまでっか。
「私が言うから正しい」でっか。「私は法相ですから」がその根拠でっか。
さすが安倍チルドレン。言うことも理屈も同じでんな。
「取り調べが長時間であること、弁護人の立ち会いがないことなど取り調べ全般に対する批判がなされたが、そもそも我が国においては、被疑者に黙秘権や立会人なしに弁護人と接見して助言を受ける権利が認められている。また、適宜休憩をとるなど被疑者の人権に配慮した上、録音録画の実施を含め適正な取り調べを行っている」。
「適正な取り調べを行っている」この辺なんか菅官房長官と瓜二つでんな。
「適切に処理してます」「問題ない」「それに尽きる」てか。
森法相「正しい理解、世界中の皆さんに」未明に続き会見:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASN193D0NN19UTIL002.html
主張:ほんま森てあほやで(←抽象的。これだけで終わったら中傷である。根拠を掲げていない)。
根拠:そやかて、ゴーンは抽象的ゆうて自分こそ抽象論で反論しよるさかい(←具体的根拠↑)。
ゴーンの話のほうがよほど具体的。「弁護士の同席なしに1日8時間にわたって尋問を受けた」
「独房で一人クリスマスを過ごした」「正月休みもない」「『自白しなければもっとひどいことになる。
家族も追及する』と言われ、絶望した」「家族は想像を絶する苦しみを味わった」などなど。
ゴーンの会見、がっかり?説得力あった?
毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20200109/k00/00m/020/244000c
新聞はさすがに森法相よりはも少し具体的
「日本では容疑者が否認すると身柄拘束が長期化する傾向にあるとされ、前会長も勾留が計130日に及んだことから「人質司法」との指摘が出た。欧米の法制度と比較すると、確かに多くの国が取り調べに弁護人の立ち会いを認めてはいるが、拘束期間は日本が突出しているわけではない。
法務省の資料によると、フランスは逮捕直後の警察留置期間は24時間だが、その後に予審判事の指揮下で捜査が継続され、起訴の可否が決定される。予審中の身柄拘束は殺人などでは原則1年以内、最長4年8カ月まで延長できる。ドイツでも起訴前後の身柄拘束は原則6カ月以内とされる。
前会長は、妻との接触を制限した保釈条件も「人権侵害」と訴えた。だが、王雲海・一橋大大学院教授(比較刑事法)は「妻が事件の利害関係者であれば、欧米でも同じ制限がかけられるだろう。前会長は被告としての認識に欠けている」と話す。
さらに前会長は99%を超える日本の有罪率も批判したが、王教授は「日本は『精密司法』で、有罪が立証できないと起訴しない。証拠が十分でなくとも、公判で白黒を付けてもらおうという『おおよそ司法』の他国とは異なる」
結局、森法相、「「無罪を主張」と言うべきところを「無罪を証明」と言い間違えた」
ということにして、訂正: 無罪を証明 → 無罪を主張。
法相だけに(森法相は弁護士でもある)、こんな基本が分かってないわけないですよね。
無知の無罪を主張した形だが、証拠もなく、証明のしようがない。
NHK9時のニュースはひどかった
ゴーン会見が芝居がかっている、他言語を駆使している、なんてところに注目。
そしてお得意「街の声」。たしか3人だったか。全員、ゴーンを批判する。
意味あること言わないことが分かったので途中で見るのをやめて寝た。
日産で何をしていたかを知りたかったのにその話はしない、と2人目。
最後の人は「みっともない」と言っていた。
ゴーンの日本の司法制度に関する批判は具体的には一切取り上げず。
「人権に反する」という総論の部分のみを紹介。
そして森法相による批判。
ゴーンによる日本の司法の「批判は抽象的なもの」で当たらない。という抽象論のみ紹介。
桑子氏(女性のプレゼンター)は「ゴーン劇場で済まされる話ではない」と締めくくったが、
「「ゴーン劇場で済まされる話ではない」ですまされる話ではない!」
こんな「総論」ばっかりのニュースで済まされてはたまらない。
有馬(男性のプレゼンター)は「昨夜のような会見なら名誉の回復なんて難しいのではないでしょうか」
と締めくくった。こんなニュースの締め方では、NHKの報道としての信用の回復は難しい。
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森昌子『適正♪』
カルロス・ゴーンが消えた日は
安倍がしつこく言っていた ♪
適正、適正、それは適正 ♪
カルロス・ゴーンが消えた日は
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2020-01-10 18:55
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