天下分け目のニューヨーク 民主党 大統領候補党指名争い(1) [アメリカ大統領選挙 2016]
ところが蓋を開けてみるとなんとサンダースが2ポイント差で大逆転。
その後クリントンを猛烈に追い始めた。
南部ではクリントンが勝つものの、気がつけばこのところ9つの州のうち8州で圧勝。
さあニューヨーク決戦と意気込む。
メディアや評論家はそれでもクリントンや共和党のドナルド・トランプを中心に伝える。
あるいはサンダースの訴えは現実離れをしているといったとらえ方だ。
「ワシの言うこと聞いてんの?
トランプとクリントンばっかり取り上げて」
サンダースが勝ってもメディアはクリントン、クリントン
「ニューヨークでも勝つ!」(サンダース)
ウイスコンシン、ワイオミングを制し、いよいよ天下分け目のニューヨーク!
「パナマ文書」 が4月初めに漏洩し、大企業や大富豪の資金隠匿、租税回避が明らかになると
「サンダース に当選の目がでてきたかも知れぬ」と英インディペンデント紙は伝えた。
The Panama Papers could hand Bernie Sanders the keys to the Oval Office
ただでさえ格差にうんざりのアメリカの有権者。
大企業からの巨額の献金を受けるクリントンにはただでさえ反感があった。
そこへパナマ文書。
クリントンの関係者がパナマ文書につながることも分かった。
クリントンはパナマとの貿易協定を推進。
サンダースは強く反対していた。
サンダース は早くから租税回避地を批判し
それを可能にするパナマとの貿易協定に反対していたのだ。
金持ちや大企業が、払うべき税金を払わない、
自由貿易協定で取り締まりすらできなくなると。
パナマ文書は氷山の一角だ(租税回避地タックスへイブンはパナマの他にも多数)
これから事件が拡大する可能性もある。
サンダースには追い風だ。
一貫してリベラル左派
この問題も含め、サンダースはこれまで一貫してリベラルな姿勢を貫いてきた政治家である。
サンダース陣営に言わせればこう要約できる:
「アメリカがこれまでの30年間に犯した大きな間違いのどれをとっても
それに反対するバーニー・サンダースの姿が映像として残っている」
その側面はこのブログでもすでに紹介した。
今回の文脈で以下に追加しておこう。(サンダース語録 2)
「アメリカ人なら誰しもまっとうな尊厳ある生活をする権利がある。
私はその戦いを決して諦めはしない」バーニー・サンダース1998年
「選挙運動とは、きのう、どんな演説をしたかではない。
これまでの政治家人生で何を戦ってきたかということだ」
最低賃金
「1968年以降、アメリカの実質最低賃金は33%下落した。
もし最低賃金が労働生産性に見合った上昇を続けていれば、
今21ドル72セントのはずだ」
差別
男性の稼ぎ1ドルに対し
白人女性 79セント
黒人女性 60セント
ヒスパニック女性 55セント
アメリカ先住民女性 59セント
「相も変らぬ性差別、人種差別だ」
「同じ仕事をして男性が1ドルを稼ぐのに女性が79セントだなんて
あってはならないことだ」
It's unconscionable that women earn 79 cents on the dollar compared to men who perform the same work. #EqualPayDay pic.twitter.com/fyiOYYsnly
— Bernie Sanders (@SenSanders) 2016年4月12日
奴隷制への謝罪
八百長経済、八百長政治
「ウォール街が仕組んだこのインチキ経済、インチキ政治、もう我慢の限界です。
どんだけ一般国民を犠牲にし、金持ちを優遇してるかって話ですよ、これ」
銀行解体
「大手銀行のロビイストの影響力は絶大で、規制に関する法律まで
自分たちで書いているような面すらある。
そこまで強大になった組織は解体するしかない」
Big bank lobbyists are so powerful they've literally written some of our bank regulation laws. Institutions that powerful must be broken up.
— Bernie Sanders (@SenSanders) 2016年4月13日
「アメリカの大手銀行6行の総資産が国のGDPの60%相当だなんて馬鹿げている。
いい加減にしろ!
と言いたい」
「2008年に税金で救済してもらった銀行は、
<私らアメリカそのものでございます>
みたいな態度だったけど、税金を払う段になると、
誇り高きパナマ人に化けているわけです」
税制改革
「大企業で資金力があって業績が飛び抜けていいというところから
応分の税金を払ってもらうというのは、そんなに過激な考え方ではない」
It's not a radical idea to ask large, wealthy corporations who are doing phenomenally well to start paying their fair share of taxes.
— Bernie Sanders (@SenSanders) 2016年4月13日
「私が大盤振る舞いだって?
とんでもない!
皆さんの税金は、大切な公共サービスに使ったらどうかと言っているんです。
やれ銀行の救済だ、石油のための戦争だ、企業のためだといって
がんがん無駄遣いしまくるんじゃなくて。
いま大盤振る舞いを受けているのは大金持ちの連中ですよ!」
企業が本来払うべき連邦所得税率:35%
税額控除や節税措置を使い実際に払っている税率:14%
「子供たちがお腹をすかすときに
大企業がいつまでも税で優遇措置を受け続けることがあってはならない
本格的な税制改革が必要だ」
サンダースは、レーガン以来の金持ち・大企業優遇の政策、他はそのおこぼれにあずかればいいという
トリクルダウン経済(おこぼれ経済)を根本的にひっくり返すつもりなのだ。
「上位1%がいまや99%の富を上回る。これは許せない。持続不可能だ。不道徳だ。私たちは一緒にこの状況を変えていかなくてはならない」#バチカン にてバーニー・サンダース#サンダース語録2 #格差 #道徳的経済https://t.co/zfg15oMyyL @msnbc
— 中嶋寛兵衛 (@noraneko_kambei) 2016年4月16日
「アメリカの子供達がお腹をすかすというのに
大企業がいつまでも税の優遇措置を受けられるというのはおかしい。
応分の税金を払ってもらわなければこまる」
Large corporations cannot continue to get more tax breaks when children in America go hungry. They must pay their fair share.
— Bernie Sanders (@SenSanders) 2016年4月13日
「国の借金が19兆ドルというとき、
大企業が黒字でも連邦所得税を一切払わなくていい
というのは馬鹿げている」
When this country has a $19 trillion national debt it's absurd that major profitable corporations pay nothing in federal income taxes.
— Bernie Sanders (@SenSanders) 2016年4月13日
「大企業が絶好調で中間層が崩壊、貧困層が拡大、だなんて、許されんでしょ」
「若い人たちに大学の授業料の返済を20年もさせるより
家や車を買ってもらったほうがどんだけ経済にいいかって話ですよ」
「大学の授業料50年前はタダやったんやで
なんでそれが今できひんのや!」
医療保険改革
「アメリカに住む人が、お医者にかかるか食費にあてるかで
悩むようなことがあってはならない。しかし、
何百万人という人が毎日その選択を迫られている」
運輸労組の支持取り付ける
ストの現場に
「労働組合は企業による中産階級つぶしに対する最後の防衛線だ」
全米規模の組合大手がクリントに付く中サンダースは地域の小さな組合の支持表明の流れが続く
通信大手ベライゾンに対し通信労組など4万人がピケを張る現場ーにー
「ここ数十年、労働組合運動は激しい攻撃にさらされてきた。今ある労働組合こそ最後の防衛線なのだ!」
「この会社も勤労者の生活を潰そうとしてる。きょう皆さんが立ち上がったのはベライゾンの従業員の為だけではない。皆さんは組合のない何百万人というアメリカ人の為に立ち上がっているのだ!」
同社は収益を伸ばしCEOの報酬も増え1,830万ドル=約20億円
企業は組合をつぶし社員には「うちが嫌なら他に行け」。
社員の幸福より株主の満足がもっぱらの関心事。
これがまさしくサンダース現象の背景ともなっているのだ。
日本にこの現象が飛び火するのは時間の問題か。
「ベライゾン社がCEOに2,000万ドル(=約22億円)の報酬を払えるのなら、
社員にはちゃんとした賃金と医療手当を払えるはずだ」
If Verizon can afford to pay their CEO $20 million, it can afford to give its employees fair wages and health benefits. #verizonstrike
— Bernie Sanders (@SenSanders) 2016年4月13日
「企業のトップが平均的勤労者の300倍近くの報酬を手にしている現実を
認めてしまってはならない。企業の強欲は終わりにしなくてはならない」
The US must not accept the fact that CEOs are making nearly 300 times what the typical worker makes. We must put an end to corporate greed.
— Bernie Sanders (@SenSanders) 2016年4月13日
「今の時代、問題は大富豪たちに立ち向かう用意が我々にあるのか、
それともこのままずるずると政治・経済の少数支配、寡頭制になっていくのか、
ということだ」
The question of our time is whether we are prepared to take on the billionaire class or do we slide into economic and political oligarchy.
— Bernie Sanders (@SenSanders) 2016年4月13日
「こんなことを言うと皆さん心穏やかではないと思うが、
私はこの国の民主主義の将来を、とても、とても、心配している」
I know that people aren't comfortable when I say this, but I worry very, very much about the future of democracy in our country.
— Bernie Sanders (@SenSanders) 2016年4月14日
「私たちは大富豪の手で民主主義を寡頭政治 に変えてしまわれないよう
選挙資金制度 改革を進め選挙を公的資金でまかなうようにしなくてはならない」
The question of our time is whether we are prepared to take on the billionaire class or do we slide into economic and political oligarchy.
— Bernie Sanders (@SenSanders) 2016年4月13日
再生エネルギー
「アメリカが本気でエネルギーの自給をめざしたい、
それをコスト効率のいい形でやりたい、
というのなら太陽光発電に投資すべきである」
シェールガス、気候変動
「水圧破砕(シェールガス採掘)は1年で石炭火力発電所22個分の気候変動汚染を惹き起こしている。気候変動と戦うというのなら、全米で水圧破砕を終えなくてはならない」
死刑反対
2015年の年間死刑執行上位:
1中国、2イラン、3パキスタン、4サウジ、
5アメリカ、6イラク、7ソマリア、8エジプト
「世界の国々の3分の2が死刑の執行をもはや行なっていない。
先進国は全て。ただしアメリカだけは別」
と死刑に反対するサンダースだが、ここに3つの可能性がある:
1)日本を先進国の部類に入れていない
2)日本がまだ死刑を執行していることを知らない
3)日本はアメリカの属州/植民地としてとらえられており
「ただしアメリカだけは別」の表現で日本も片付いている。
やれやれ
「政治家は次の選挙のことを考える
指導者は次の世代のことを考える」
バーニー・サンダースはホームページで動物福祉の問題に特別にページを設けている
唯一の候補です。
猫?
民主党 大統領候補指名争い天下分け目のニューヨーク(2)に続く
(2)では、サンダース支持者がSNSなどでどんなメッセージを発しているかを見て
サンダース現象を実感したい。
/\ /\m (_ _) m
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