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天下分け目のニューヨーク 民主党 大統領候補党指名争い(1) [アメリカ大統領選挙 2016]

若者・無党派層の支持を中心に「政治革命」の勢いに乗るバーニー・サンダース。
先頭を行くヒラリー・クリントンを猛追中だが
いよいよ大きな山場が来週のニュ—ヨーク。
劣勢を伝えられるその19日の予備選やいかに?

ここまでの道のり

バーニー・サンダース。1年前はまったくの泡沫候補扱い。
人口60万の弱小バーモント州選出の上院議員71歳、自称「民主社会主義者」。

去年11月も首位ヒラリー・クリントンとの差は20ポイントを超えていた。

バーニー・サンダース  ヒラリー・クリントン
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「わしんとこ、ぜんぜんお金なくてさー」  
「そーなの?私なんかガッポガッポ、わーはっは!」

と実際言っていたかどうかは定かではないが、何かそんな雰囲気のふたり。

ところが今年2月に予備選(=予備選+党員集会)が始まると、
まずは地元に近いアイオワとニューハンプシャーで互角の勝負。
サンダースはウォール街の規制(「銀行解体」)、大学授業料の無償化、
医療保険改革、税制改革、選挙制度改革、最低賃金、環境、人権などなど、
反格差リベラル路線を訴え、無党派層や若者を中心に支持を伸ばしていたのだ。
資金でも個人の小口の献金で集まり、クリントンに迫るほどの勢いになっていた。
支持率推移.jpg
(図は朝日新聞から)

だがその後、南部でクリントンに大きく引き離されて行く。
そして迎えたミシガン(3月8日)もサンダース、大きく劣勢が伝えられた。
1週間前の数字がこれである。
ミシガン予備選前支持率.jpg
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

ところが蓋を開けてみるとなんとサンダースが2ポイント差で大逆転。


その後クリントンを猛烈に追い始めた。

南部ではクリントンが勝つものの、気がつけばこのところ9つの州のうち8州で圧勝。

さあニューヨーク決戦と意気込む。


 8勝1敗次はNY.jpg


メディアや評論家はそれでもクリントンや共和党のドナルド・トランプを中心に伝える。

あるいはサンダースの訴えは現実離れをしているといったとらえ方だ。

 

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「ワシの言うこと聞いてんの?

 トランプとクリントンばっかり取り上げて」

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サンダースが勝ってもメディアはクリントン、クリントン


⇒ サンダースが「革命的社会主義者」のウソ

⇒ いよいよ正念バーニー・サンダース 

 

「ニューヨークでも勝つ!」(サンダース)


ウイスコンシン、ワイオミングを制し、いよいよ天下分け目のニューヨーク!


 

「‎パナマ文書 が4月初めに漏洩し、大企業や大富豪の資金隠匿、租税回避が明らかになると

‎サンダース に当選の目がでてきたかも知れぬと英インディペンデント紙は伝えた。

 The Panama Papers could hand Bernie Sanders the keys to the Oval Office

 

ただでさえ格差にうんざりのアメリカの有権者。

大企業からの巨額の献金を受けるクリントンにはただでさえ反感があった。

そこへパナマ文書。

クリントンの関係者がパナマ文書につながることも分かった。

 

クリントンはパナマとの貿易協定を推進。

サンダースは強く反対していた。

 

サンダース は早くから租税回避地を批判し

それを可能にするパナマとの貿易協定に反対していたのだ。

金持ちや大企業が、払うべき税金を払わない、

自由貿易協定で取り締まりすらできなくなると。

 

2011年の議会での発言 映像と日本語訳

 

パナマ文書は氷山の一角だ(租税回避地タックスへイブンはパナマの他にも多数)

これから事件が拡大する可能性もある。

サンダースには追い風だ。

 

 

 

 

一貫してリベラル左派

 

この問題も含め、サンダースはこれまで一貫してリベラルな姿勢を貫いてきた政治家である。

サンダース陣営に言わせればこう要約できる:

 

「アメリカがこれまでの30年間に犯した大きな間違いのどれをとっても

 それに反対するバーニー・サンダースの姿が映像として残っている」

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その側面はこのブログでもすでに紹介した。

 

⇒ サンダース語録 1985~2015

⇒ お笑い番組に出演したサンダースさん だ~す

 

今回の文脈で以下に追加しておこう。(サンダース語録 2)

 

「アメリカ人なら誰しもまっとうな尊厳ある生活をする権利がある。

 私はその戦いを決して諦めはしない」バーニー・サンダース1998年

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「選挙運動とは、きのう、どんな演説をしたかではない。

 これまでの政治家人生で何を戦ってきたかということだ」

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最低賃金

 

「1968年以降、アメリカの実質最低賃金は33%下落した。

 もし最低賃金が労働生産性に見合った上昇を続けていれば、

 今21ドル72セントのはずだ」

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差別

 

男性の稼ぎ1ドルに対し
 白人女性 79セント
 黒人女性 60セント
 ヒスパニック女性 55セント
 アメリカ先住民女性 59セント

「相も変らぬ性差別、人種差別だ」

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「同じ仕事をして男性が1ドルを稼ぐのに女性が79セントだなんて
 あってはならないことだ」

 


 


奴隷制への謝罪

 

 

八百長経済、八百長政治

 

「ウォール街が仕組んだこのインチキ経済、インチキ政治、もう我慢の限界です。

 どんだけ一般国民を犠牲にし、金持ちを優遇してるかって話ですよ、これ」

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銀行解体

 

「大手銀行のロビイストの影響力は絶大で、規制に関する法律まで

 自分たちで書いているような面すらある。

 そこまで強大になった組織は解体するしかない」

 


 

「アメリカの大手銀行6行の総資産が国のGDPの60%相当だなんて馬鹿げている。

 いい加減にしろ!

 と言いたい」

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「2008年に税金で救済してもらった銀行は、

 <私らアメリカそのものでございます> 

 みたいな態度だったけど、税金を払う段になると、

 誇り高きパナマ人に化けているわけです」

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税制改革

 

「大企業で資金力があって業績が飛び抜けていいというところから

 応分の税金を払ってもらうというのは、そんなに過激な考え方ではない」


 

「私が大盤振る舞いだって?
 とんでもない!
 皆さんの税金は、大切な公共サービスに使ったらどうかと言っているんです。
 やれ銀行の救済だ、石油のための戦争だ、企業のためだといって
 がんがん無駄遣いしまくるんじゃなくて。

 いま大盤振る舞いを受けているのは大金持ちの連中ですよ!」

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企業が本来払うべき連邦所得税率:35%

税額控除や節税措置を使い実際に払っている税率:14%

 

「子供たちがお腹をすかすときに

 大企業がいつまでも税で優遇措置を受け続けることがあってはならない 

 本格的な税制改革が必要だ」

 

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サンダースは、レーガン以来の金持ち・大企業優遇の政策、他はそのおこぼれにあずかればいいという

トリクルダウン経済(おこぼれ経済)を根本的にひっくり返すつもりなのだ。



「アメリカの子供達がお腹をすかすというのに

 大企業がいつまでも税の優遇措置を受けられるというのはおかしい。

 応分の税金を払ってもらわなければこまる」


 

「国の借金が19兆ドルというとき、

 大企業が黒字でも連邦所得税を一切払わなくていい

 というのは馬鹿げている」



「大企業が絶好調で中間層が崩壊、貧困層が拡大、だなんて、許されんでしょ」

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「若い人たちに大学の授業料の返済を20年もさせるより

 家や車を買ってもらったほうがどんだけ経済にいいかって話ですよ」

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大学の授業料50年前はタダやったんやで

 なんでそれが今できひんのや!」

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医療保険改革

 

「アメリカに住む人が、お医者にかかるか食費にあてるかで

 悩むようなことがあってはならない。しかし、

 何百万人という人が毎日その選択を迫られている」

 

運輸労組の支持取り付ける

 

 

ストの現場に

 

 

労働組合は企業による中産階級つぶしに対する最後の防衛線だ」

 

全米規模の組合大手がクリントに付く中サンダースは地域の小さな組合の支持表明の流れが続く

 

通信大手ベライゾンに対し通信労組など4万人がピケを張る現場ーにー

 

「ここ数十年、労働組合運動は激しい攻撃にさらされてきた。今ある労働組合こそ最後の防衛線なのだ!」

 

「この会社も勤労者の生活を潰そうとしてる。きょう皆さんが立ち上がったのはベライゾンの従業員の為だけではない。皆さんは組合のない何百万人というアメリカ人の為に立ち上がっているのだ!」

 

同社は収益を伸ばしCEOの報酬も増え1,830万ドル=約20億円

 

企業は組合をつぶし社員には「うちが嫌なら他に行け」。

社員の幸福より株主の満足がもっぱらの関心事。

これがまさしくサンダース現象の背景ともなっているのだ。

日本にこの現象が飛び火するのは時間の問題か。

 

「ベライゾン社がCEOに2,000万ドル(=約22億円)の報酬を払えるのなら、

 社員にはちゃんとした賃金と医療手当を払えるはずだ」

 

「企業のトップが平均的勤労者の300倍近くの報酬を手にしている現実を

 認めてしまってはならない。企業の強欲は終わりにしなくてはならない」

 


 

「今の時代、問題は大富豪たちに立ち向かう用意が我々にあるのか、

 それともこのままずるずると政治・経済の少数支配、寡頭制になっていくのか、

 ということだ」

 


 

「こんなことを言うと皆さん心穏やかではないと思うが、

 私はこの国の民主主義の将来を、とても、とても、心配している」


 

「私たちは大富豪の手で民主主義寡頭政治 に変えてしまわれないよう

 選挙資金制度 改革を進め選挙を公的資金でまかなうようにしなくてはならない」 


 

再生エネルギー

 

「アメリカが本気でエネルギーの自給をめざしたい、

 それをコスト効率のいい形でやりたい、

 というのなら太陽光発電に投資すべきである」

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 シェールガス、気候変動

「水圧破砕(シェールガス採掘)は1年で石炭火力発電所22個分の気候変動汚染を惹き起こしている。気候変動と戦うというのなら、全米で水圧破砕を終えなくてはならない」

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死刑反対


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2015年の年間死刑執行上位:

1中国、2イラン、3パキスタン、4サウジ、

5アメリカ、6イラク、7ソマリア、8エジプト

 

「世界の国々の3分の2が死刑の執行をもはや行なっていない。

 先進国は全て。ただしアメリカだけは別」

 

と死刑に反対するサンダースだが、ここに3つの可能性がある:

 

1)日本を先進国の部類に入れていない


2)日本がまだ死刑を執行していることを知らない


3)日本はアメリカの属州/植民地としてとらえられており
  

 「ただしアメリカだけは別」の表現で日本も片付いている。

 

やれやれ

 

 

「政治家は次の選挙のことを考える

 指導者は次の世代のことを考える」

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バーニー・サンダースはホームページで動物福祉の問題に特別にページを設けている

唯一の候補です。

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猫?

 

民主党 大統領候補指名争い天下分け目のニューヨーク(2)に続く

 

(2)では、サンダース支持者がSNSなどでどんなメッセージを発しているかを見て

サンダース現象を実感したい。

/\    /\
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これまでのサンダース関連記事:

 

支持率でひらりとかわすサンダーズ

「今夜アイオワで始まったことは、ひとつの政治革命だ」

サンダース語録 1985~2015

お笑い番組に出演したサンダースさん だ~す

死傷者多数の師匠が支障? ヒラリー・クリントンとヘンリー・キッシンジャー 

サンダースが「革命的社会主義者」のウソ

いよいよ正念バーニー・サンダース

 

 


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