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NPT再検討会議決裂 1 日本は粛々とアメリカはしゃあしゃあと [核兵器]


核廃絶の前に立ちはだかる唯一の超大国と唯一の被爆国

あるいは階段の騙し絵

 

45年前の約束を、いまだ果たしてもらっていないとしたら。。

あなたはそこに誠意を感じることができますか?

ひょっとして約束を守るつもりがないのでは?

と疑ってもいいかもしれない。

45年です。

そろそろ世界のお人好さんたち、そのことに気付いてもいい頃ではないだろうか。

お人好のふりをして、その実その不誠実に積極的に加担している手合いもいるようだし。

 

核不拡散条約NPT。発効して45年。

45年ですよ。

発効どころか、発酵、異常発酵してます。

 

岸田UN.jpg

 

騙す人

騙される人

 

NPT再検討会議で4月末5月初めNYにいたが、NPTてペテンじゃないかとひらめいた。

45年ですからね。6条に「核軍縮の誠意ある交渉を行なう義務」というが、

その条約自体、誠意がないのではないかと、ふと思い当たったのである。

国連総会の決議1号も核軍縮。そこから勘定したら実に70年!

 

オバマだってそうだ 核なき世界と言っておきながら

「私の生きている間はたぶんない」とも言っている

しかし人は聞きたくないところは耳に入らない

何かいいこと起きそうな気分になって、油断してしまう

ヒラリー・クリントンなんか「いつの世紀にか」

なんて言っているのに

 

それにアメリカはこれから核兵器の近代化を大々的にやるつもり

わしらは平和行進

その間あっちは兵器更新

それでやつらはぜんぜん平気

わしら騙されます

というか自らすすんで騙されているようでもある

 

橋下市長に魅了されている大阪市民と一緒か

 

いちばんたちの悪い騙しは安倍氏でしょうけど

日本とアメリカで言うことが安倍こべ

日本じゃ戦争「絶対ない」と言って

アメリカじゃ「あなたの一言でどんな遠くにもすぐ駆けつけるわ ♡」

という歌の文句、晩餐会の乾杯の音頭で披露しました。

ここまでへつらうか。吐き気がするほど恥ずかしい。

そのためかこの歴史的欺瞞を日本のメディアはほとんど報じないが

アメリカ政府のサイトにはちゃんと記録が残っている

アメリカにおもねり日本国民をあざむく歴史的乾杯の音頭

 

どうしても阻止するつもりでかからないとだめですね

安倍安保法制

通されて実際なになに事態になって慌ててももうおそい

あべー?

こんなはずじゃ中谷

から岸だめ

 

結局、ニューヨークのNPT再検討会議は合意文書を採択できないまま終わった。

 

NPTには3つの柱があるとされる。

 

1、核兵器保有国と正式に認められた5カ国にのみ核兵器の保有を認める。

2、核兵器保有国に核軍縮の義務。

3、非核兵器保有国にはいわゆる原子力の平和利用を認める。

 

しかし、2と3はとって付けたようなもの、ただのみせかけではないのか?

だって条約の名前からして、1しか入っていませんよ。

そして発効してから45年間、その義務は一向に果たされない。

 

「核軍縮を誠実に交渉」。つまり「誠実に交渉」すればいいのであって、

どこを読んでも核廃絶を「果たす」義務といったことは言っていない。

 

核兵器保有国や

日本のような核兵器依存国が主張する

「究極的核廃絶」「ステップ・バイ・ステップ・アプローチ」「段階的廃絶」なんて、

行けども行けども下って行かない、だまし絵の下り階段みたいなトリックではないのか。

 

だまし絵階段.jpg

 

そんなふうにさえ思えて来る。

 

アメリカの核実験場となり長年苦しみ抜いて今なお苦しみ続けているマーシャル諸島は、核兵器保有国が核軍縮の義務を果たしていないとして去年、国際司法裁判所に提訴した。補償を求めてではない。人類のためだ。画期的な動きである。

今も続く核実験被害とICJ提訴

 

日本は人ごとではない。この提訴(いわゆる「核ゼロ裁判」)は、全面的に支援すべきだ。「唯一の被爆国」だからというだけではない。マーシャル諸島海域で日本の漁船は、よく知られる静岡の第五福竜丸(日本政府はアメリカの核実験との因果関係は問わず、見舞金のみ受け取る政治決着)のみならず、何百隻という漁船の何千人という日本人乗組員が被曝しているからである。しかも、その事実を日本政府は長年隠蔽してきた。乗組員の健康調査はしておりませんと国会でしゃあしゃあとウソの答弁。記録はアメリカ政府に渡っており、ウソが機密文書の解除で暴露された。

ブラボーというアメリカのべらぼー 終わらぬ核被害マーシャル諸島

空から粉が降って来るのを見て雪だと思いました

 

2000年のNPT再検討会議では、確かに、核廃絶の「明確な約束」があると確認し、

具体的に13の措置を決めた。しかし、一切実行されないのである。

2010年には行動計画64の措置に合意。しかし実行に移されたものは、何一つない。

 

しゃあしゃあと近代化、しゃあしゃあと二重基準

言ってることとやってることが違う

 

安倍総理が、平和平和と言って、粛々と戦争の準備をしている、嘘つきだ、と非難されている。国会ではアメリカの戦争に付いて行くことは「絶対にない」といいながら、ご主人様アメリカのオバマ大統領にはこの4月も晩餐会で乾杯の音頭をとり、

地球規模の課題の戦いでアメリカをひとりぼっちにすることは決してない、

「♪あなたの一声でどんなに遠くでもすぐに駆けつけるわ♡」

という歌の台詞をダシに、恥も外聞もない猛烈なラブコールを送っていた。

アメリカへのおもねり、へつらいの音頭さ。

自国民にたいする欺瞞・傲慢とあきれ返る

温度差。

乾杯で完敗 平和憲法

 

2009年「核なき世界」を目指すとオバマ大統領が就任早々に表明したプラハ演説。

世界は興奮したが、彼の言ったことをよくよく聞き直してみると、

 

「私の生きている間はおそらく無理だろう」

 

とも付け加えている(アメリカは最初に核兵器を手放すわけでもなく、最後)。

そしてその一方で今、大がかりな核兵器の近代化を押し進めようとしているのだ

(冷戦初期を除くと恐らく過去最大規模の1兆ドル30年がかり)。

莫大な費用をかけて核兵器からミサイルから潜水艦から爆撃機から、全部更新していく考えだ。

そして「私の生きている間は」で驚いてはいけない。次期大統領候補に

じきなるだろうとも目されるヒラリー・クリントンなど、

向こう数世紀(!)は無理と言っているのだ(注1)。

 

2010年にはロシアと戦略核兵器削減条約(新START)に調印(戦略核を1550発に削減)、翌

2011年に発効した。そして

2013年にはオバマ・ベルリン演説。

STARTの米ロの削減目標よりはさらに3分の1の削減を目指したいと表明。

ところが、である。そのあと国防総省が打ち出した「核兵器運用戦略」。

オバマによれば「核兵器の役割を縮小する」はずだったのに、明らかに使用しよう

としている。集団的自衛権の行使として同盟国のために使う用意もうかがえる(注2)。

そして膨大な核兵器近代化である。

 

おばま@べるりん.jpg

 

これを要するにアメリカは核兵器を早々手放すつもりはないということだ。段階的に・究極的に核兵器を減らしますよーと言いつつ、あの階段をいついつまでもぐるぐるぐるぐるぐる回って行こうということだ。そのお先棒を粛々とかついで日本は、毎年国連で核廃絶決議(期限も何もないのでただの努力目標)を提案し続け、一緒にぐるぐる粛々とあそこを回って行きましょーという算段だ。日本政府は唯一の被爆国などと言いながら、究極的核廃絶をと言いながら、アメリカの核の傘に守られ、核抑止論を信じ、どこどこまでもアメリカに付いて行く。安倍氏が紹介したダイアナ・ロスの歌のせりふじゃないけれど

「♪どんなに山が高くても、どんなに谷が深くても、私はあなたを離れない♪ 日本とアメリカの関係はまさにこれなんです(安倍総理2015年4月ワシントンにて)」。乾杯で完敗 平和憲法

 

唯一の超大国と唯一の被爆国が、核廃絶を阻もうと立ちはだかる。

このことをまずは認識すべし。

 

核廃絶条約・核兵器条約NWCの草案はすでにある。「モデル核兵器条約」だ。今から19年前に起草された。「核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関する条約案」Nuclear Weapons Convention。廃棄の手順まで事細かく定めてある。

 

19964月に核兵器に反対する国際的な法律家や医師や技術者のNGO (IALANA国際反核法律家協会, IPPNW核戦争防止国際医師会議, INESAP反拡散国際科学技術者ネットワーク)が起草、翌年コスタリカが国連事務総長に提出。

2007年にコスタリカとマレーシアが共同提案国となり2010NPT再検討会議の準備委員会に提出。

2011年にはマレーシアなどが核兵器禁止条約の交渉開始を求めて決議案を提出し127カ国の賛成で採択されている。

 

一方、ここ数年のうちに勢いづいてきたのが、有志国だけで先行して核兵器禁止条約Nuclear Ban Treatyを結ぼうという運動だ。これまたIPPNWなど市民社会と中堅国家群が後押ししている。核兵器条約を求める運動の分派とも言える動きで、これまで3回(ノルウエー、メキシコ、オーストリア)の国際会議を「核兵器の使用の人道的影響」に関して開いてきた。その中心的な担い手がICAN核兵器廃絶国際キャンペーンである。核兵器の人道上の影響に関するウィーン会議再録(目次)

 

ICAN(アイキャン)は、IPPNW核戦争防止国際医師会議などが中心になり

2007年に発足。今や93カ国380団体。日本ではピースボートが活発に運動を展開している。

これまでの議論は専門的・学術的になりすぎるきらいがあったとして、広範な市民参加を背景に、

有志国だけで先行して「核兵器禁止条約」を作ろうという運動だ。

 

日本は粛々とアメリカはしゃあしゃあと NPT再検討会議決裂 2 へ続く)

 

注1

ヒラリー・クリントン、ひょっとすると次期大統領という人だが、国務長官時代に国務省関係者にこう言っている。

「私たちの目標は、世界から、いつの日か、いつの世紀にか、核兵器がなくなることです」。

 

彼女の後継者ジョン・ケリー現国務長官に至ってはこうだ:

「運が良ければの話だが、核なき世界は数世紀先」(承認手続きでの議会証言)

 

注2

我が岸田外相など翌2014年長崎で、「核兵器の使用を個別的・集団的自衛権に基づく極限の状況に限定するといった宣言を(核保有国)は行なうすべきと語り物議をかもした。裏返せば、日米が集団的自衛権を行使する場合「極限の状況」の核兵器の使用を認める、ということにもなるからである。



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