復興進まぬガザ地区：のら猫寛兵衛（旧）：SSブログ

	ブログをはじめるログイン

復興進まぬガザ地区　[パレスチナ] [編集]

ガザは今、去年の停戦の日の姿とほとんど変らない。約束された復興資金は届かず、世銀によるとパレスチナ・ガザ地区は住民の43%が失業、貧困率は39％。
しかしほんの数日前、アメリカ国防総省はイスラエルへの弾薬の売却１８億ドル分に同意した。そしてイスラエルの新連立政権はこれまででもっとも右寄り。ヘイトスピーチをばらまくような人物まで閣僚にいる。これからどのような暴力が待ち受けているのか。

進歩的ユダヤ系ウェッブ・メディア「モンドワイス」のダン・コーエンがリアル・ニューズのインタビューに答えた：

シュジャイーヤ.jpg

「去年のイスラエルによるガザ攻撃が終わって８ヶ月。ガザは今、去年の停戦の日の姿とほとんど変らない。建物の再建はごくわずか。全壊した建物で再建なったものはひとつもないという悲しい統計もある。復興資金５４億ドルということだったが、その約束の多くが未だ果たされていない。イスラエル、エジプト、パレスチナ当局が共謀して再建を阻んでいる形だ。・・私たちはそれを国際的「脱・開発」政策と呼んでいる。・・

シャジャイーヤ、ベイト・ハヌーン、ホサといった地域はイスラエルの爆撃によって完全に破壊された。生存者は瓦礫のなかで暮らしているようなものだ。・・

今年選挙で新たに選ばれたばかりのイスラエルの政府はこれまでで最も右派。・・オバマ大統領からイスラエルに供与された兵器が去年、市民を標的にして使われた。バンカーバスター（地下貫通型爆弾）はもともとイラクの地下施設の破壊を目的に開発された。それが去年（ガザ地区の）まったく軍事的な価値のない住居用・商用の高層ビルを破壊するために使われた。それをイスラエルはまた新たに750発入手した。・・

だからガザの誰しもが、イスラエルの誰しもが、必ずまた起きる。あとは時間の問題、と思っている。私が今いるこの高層ビルも狙われるのかと思うと穏やかではないが、去年の夏のように、大きな建物が瓦礫の山と化し、多くの人が住む場所を失う可能性は十分ありうる。

・・イスラエルの新政府はこれまでで最も右派だ。ベンジャミン・ネタニヤフの連立政権。そこには右派強硬派のアイエレット・シャケッドのような人物がいる。彼女は去年のガザ攻撃の最中、フェイスブックにパレスチナ人は皆殺しにしろと書いた。パレスチナ人の女も殺せ、でないと小さなヘビを産んでしまう、と言った。あるいはナフタリ・ベネットのような人物もいる。彼は教育相に任命された。自分はこれまで多くのアラブ人を殺したが、何も悪い事はない、と言ったと伝えられる。

このような極端な人々がイスラエル政府を牛耳ってしまった。これからガザ地区、西岸地区に、イスラエル内のパレスチナ人にどのような暴力が待ち受けているのか、考えてみただけでもぞっとする。イスラエルがこの道を進む限り、平和と正義の見通しはゼロだ。」

（寛兵衛追記：パレスチナを見捨てイスラエルに付く安倍政権。なんと愚かなことか。安全保障上の協力促進と言い、得意の言葉のごまかしで武器輸出を「防衛装備移転」と言い替え、企業関係者を大勢引き連れて中東に出向くその姿のなんと浅ましきことか。目先の短期的な「国益」を追い、長期的な、より大きな「国益」を限りなく損なっている。あのがれきは日本の道義的地歩の無残な様か。）

この映像を見ると、アラビア語は分からないまでも、イスラエルによるちょうど１年前のガザ攻撃の違法性、犯罪性がよく分かる気がする。住宅地の一帯を、住居、水道、電気、救急車、病院、学校、礼拝所もろとも、市民も、女も、子供も、年寄りも、すべて殺傷し、すべて破壊し尽くして真っ平らにしようというイスラエルの「ダヒヤ・ドクトリン」の戦争犯罪性を生々しく伝える映像だ。国際人道法の区別原則、比例原則など屁とも思わない軍事ドクトリンだ。

https://www.facebook.com/RamallahCityOfficialPage/videos/845774045497037/?pnref=story